宇宙の粉粒体(5)
リュウグウ,はやぶさ
<粉粒体の部屋(7-2)> <音声あり>

宇宙の「」という言い方があり,地球や火星などの惑星も広い宇宙では,のようなものです。ということで,このHPでは,これらも独断と偏見で,“粉粒体”の範疇に入れることにしました。ここでは変わった粉粒体の例としてはやぶさ2のめざしたリュウグウについて紹介しています。


リュウグウ
(小惑星)



日本の探査衛星「はやぶさが小惑星イトカワからサンプルを持って帰ってきました。その「はやぶさ」を発展させたはやぶさ2」が,生命誕生の謎を解明するため,第2の小惑星「リュウグウ」へ向かいました。

 リュウグウ(Ryugu)は,直径約900mのC型小惑星で,地球と火星の間を回っており,地球とは約3億km離れています。(注,リュウグウは,2015年に国際登録された名称です。)

 
C型小惑星は,炭素質(Carbonaceous)に由来する惑星で,小惑星帯の外側にあり,炭素(C)などでできた有機物や水を含む鉱物があります。一方,イトカワは岩石で出来たS型小惑星(S型は珪素質(Silicaceous)や石質(Stony)の意味)で,小惑星帯の内側にあります。

今回のはやぶさ2のミッションは,リュウグウから有機物や水を含む鉱物サンプルを持ち帰ることでした。これを分析することにより,46億年前の地球には無かった生命がどのように誕生したかという謎を探ることが期待されています。そのため,今回は強力な弾丸を地表に撃ち込んで内部の状態を露出させた後,太陽系初期の状態を維持している部分をサンプリングしました。はやぶさ2は見事その任務を果たし,地球に帰還しました。

   <はやぶさ2 打ち上げ成功!>  
   NHK-TV
19:00ニュース
(2014,12,3) から引用



 
     


 はやぶさ2は平成26(2014)年12月3日に地球を出発し,1年間は地球と同様の軌道を回りながらイオンエンジンの性能をチェックしつつ,15年12月には地球の重力で加速するスイングバイを実施。結果として32億km飛行して平成30(2018)年6月27日にリュウグウの上空約20kmに到達しました。その後,リュウグウの形や重力などの調査を行い,着地地点を絞り込み,令和元(2019)年7月11日に2回めのタッチダウンに成功,試料を採取しました。
そして,令和2年12月6日,地球に無事帰還しました。

   <はやぶさ2 リュウグウに到達!>  
   BSジャパン
「日経プラス10」
(2018,6,27 )から引用


 
   <はやぶさ2 リュウグウに降下中!>    
   NHK-TV
「(おうみ845)」
(2019,2,21)から引用




(ターゲットマーカーには,
私の名前も刻まれていました)
 


   <リュウグウは,コマの形> (毎日新聞 2018,6,23から引用)  
  小惑星リュウグウの画像 
(宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供
吉川真・はやぶさ2ミッションマネジャーによると,「コマ型(英語で『top shape』)は意外だった」とのこと。
 これまで知られているコマ型小惑星は自転周期が3時間程度と早く,サイズが直径数百メートルと小さなものが多かった。それに比べ,リュウグウは自転周期が7.6時間,直径900メートル程度と様子が異なるため,「コマ型と想像していなかったので,科学的にかなり意外だった」(吉川さん)という。
 

   <はやぶさ2の問題点!>  
   NHK-TV
クローズアップ現代
(2014,11,27 )から引用


 


   リュウグウに到達したはやぶさ2からの情報  
   NHK-TV
ニュースウオッチ9
(2018,07,12 )から引用


 
 
 

  リュウグウから2回目の(新鮮な)試料採取に成功    
    NHK-TV (12:00)
(2019,07,11 )から引用


 
   
   

  地球に無事帰還  
   BSフジニュース
(2020,12,06 )から引用
 
   
   

 
 <リュウグウ地中の石?採取>
 (はやぶさ2、着地2回目で)
 
 (読売新聞 2020,12,25から引用)
 
 (目盛りの大きさ:5mm) 
採取サンプル内の画像  
(宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供) 
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日,探査機「はやぶさ2」のカプセルの中から,昨年7月に実施した小惑星竜宮への2回目の着地時に採取した石を確認したと発表した。リュウグウの地中にあった可能性がある。カプセルには,試料を収める小箱が入っており,着地ごとに採取した試料を分けるため,3つの部屋に区切られている。
JAXAが今月21日,2回目の着地時の試料を収めた部屋を開けたところ黒い石が多数入っており,1cm近い大きなものもあった。これまでに確認された1回目の着地時の石や砂粒は大きいもので5mm程度で,今回の試料の方が明らかに大きいという。
 JAXAは2回目の着地に先立つ昨年4月,金属の塊をリュウグウに打ち込んで地中の物質を露出させた。今回の試料にはこれらが混じっている可能性がある。
 

 
 <リュウグウの砂 硬かった
スカスカのはずが,研究者驚き>
 
 (朝日新聞デジタル 2021,2,4 から引用)
 
 
リュウグウで採取された砂の一部
(宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供) 
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4日,小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った砂について,想定していたより硬かったと発表した。上空からの観測で,小惑星「リュウグウ」は「中がスカスカ」で「岩石はつまんだら砕けるくらいもろい」とみられていた。しかし,採取した砂は地球の石に近い硬さだったという。

JAXAは今後,1粒ずつ構造を調べ,カタログ化する方針。  JAXA宇宙科学研究所が現在分析を進めているのは,はやぶさ2がリュウグウに1回目に着陸した際,表面で採取した砂。はやぶさ2が持ち帰った約5.4グラムのうち,3グラムほどにあたる。砂が酸化しないように窒素を満たした設備で,1粒ずつ重さを量り,顕微鏡で観察している。臼井寛裕(ともひろ)・地球外物質研究グループ長は「砂がけっこう硬く,簡単につまむことができて驚いた。崩れるようなものではなく,石や鉱物に近い感じだ」と話した。
   

   
   <リュウグウの石
      黒くてスカスカ>
  (読売新聞 2021,12,21 から引用)  
  探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った小惑星リュウグウの石は極端に黒く,空洞が多いスカスカなこうぞうだとする初期分析の結果を,宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームがまとめた。論文2本が21日,英科学誌に掲載される。

初期分析では,石の色が光を2%しか反射しない濃い黒と判明した。空洞率は46%で,これまでの隕石と比べて最も隙間が多かったという。岩石が高温にさらされてできるとされる微小な構造は観察できず,太陽系誕生時から性質が大きく変化していない可能性がある。国内外のチームが詳しい分析を進めており結果は来年春にも公表する方針。
 
 
  リュウグウの石    
  (宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供)     
   

   
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