<音声あり>
ポン菓子つくり
食品関係の粉粒体(5)
<粉粒体の部屋(4-5)>
ここでは粉粒体技術の応用例として,食品関係の粒体を紹介しています。

 ポン菓子は,お米やトウモロコシを,圧力と温度をあげて加熱した状態から,圧力を一気に開放して低下させ,ポン菓子やポップコーンを作る方法です。
      

<平成28年8月4日>

家の前を,ポン菓子作りの宣伝をしながら軽トラが通りかかったので,呼び止めて実演してもらいました。

材料は,お米半合(500L)と砂糖300~400g

容器にお米を入れ,回転しながらバーナで加熱します。

すると,
10分もしないうちに圧力が1MPa(メガパスカル)(=10気圧)まで上がり,

おじさんが慌てて鉄の棒で一気にツメをたたいて圧力開放しました。

全体として,あっという間でした。

後は,回転する棒で砂糖をまぶして完成しました。




 (余談) おじさんは,55歳の定年後に始めて30年になるとのこと。

 何名かいた同業者はほとんど廃業しているそうで,おそらく県内最後の人かも?

 ちなみに,代金は¥1,000円でした。



以下,対象が今回とは少し違うポップコーンに関する内容です。

(1)その1:ポップコーンのはじける瞬間

   <再生ボタンを押してください>       
     ( 2017.12.12,NHK-Eテレ,
 「カガクノミカタ」から引用)
 
   


(2)その2ポップコーン「跳躍」現象の謎、物理的に解明 仏研究

(注)この記事は,世界三大通信社のひとつであるAFP通信(フランス)が配信する日本語ニュースサイト“AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3039430 )からの引用です。 2015年2月12日 16:12 発信地:パリ/米国

 2月12日 AFP】ポップコーンは大半の人にとって、映画を見ながら食べるスナック菓子に過ぎないかもしれないが、フランスの研究者チームにとって、それは解明されるのを待っている生体力学上の謎だった──。

理工系エリート養成機関の仏エコール・ポリテクニーク(Ecole Polytechnique)の航空技術者、エマニュエル・ヴィロ(Emmanuel Virot)氏とアレクサンドル・ポノマレンコ(Alexandre Ponomarenko)氏の研究チームは、ポップコーンがポンと飛び上がる理由に関する実験結果をまとめた異色の研究論文を、11日の英国王立協会(British Royal Society)学術誌「Journal of the Royal Society Interface」に発表した。



 研究チームは、トウモロコシの穀粒がはじけて中身が飛び出す際に何が起きるかを明らかにするために、毎秒2900フレームの録画が可能なカメラを利用した。

 実験の結果、温度が100度に達すると、穀粒内の水分の一部が水蒸気に変わり始め、約180度で圧力は海面気圧の10倍に等しい約1万ヘクトパスカルに到達した。

 圧力に耐えきれなくなった外殻がはじけて割れると、圧力が劇的に降下し、この作用で穀粒内のでんぷん質の中身が膨張して外に飛び出す。

 ヴィロ氏は「粒の大きさや形状に関係なく、臨界温度は約180度であることが分かった」と話す。

 割れた外殻から最初に飛び出すのは体肢のような形の構造体である「足」だ。これがフライパンの表面に接触し、熱を受けて圧縮され始める。

 圧縮が解放された足により、穀粒は数ミリから数センチのまで範囲の高さに跳ね上がり、水蒸気の突然の解放による「ポンという音」が発せられる。

 数ミリ秒後、内部から噴出する顆粒が膨張して、スポンジ状のフレークを形成する。

 外殻破裂からフレーク形成までの漸進的変化にかかる時間は、90ミリ秒(0.09秒)足らずだ。

 ポップコーンの跳躍は、単に閉じ込められたガスの爆風によるものではなく、熱力学と破壊力学の興味深い組み合わせに起因する現象なのだ。

「ポップコーン1粒は、ホウセンカなどの実がはじける植物と、人間などの筋肉で構成された動物との中間に位置づけられる特異な跳躍方法を有している」と研究チームは説明している。(c)AFP



トップ アイコントップページへ戻る                  前のページへ ,次のページへ