直線上に配置
梓河内のオコナイ
近江のオコナイ

(琵琶湖の周辺(59)) 
(平成22年2月6〜7日撮影)


<音声あり>




米原市梓河内で,「オコナイ」を体験させてもらいました。

オコナイ」とは,近畿地方を中心に1月〜3月にかけて見られる五穀豊穣・村内安全等を願う正月行事のことで,仏教行事の修正会・修二会と共通の性格をもつものだそうですが,特に滋賀県の湖北湖南(甲賀)が盛んで,200〜300か所で行われているようです。

元山東町の
梓河内は,国道21号線を挟んで梓地区と河内地区からなり,「オコナイ」の行われている河内は戸数94,1区〜4区に別れています。また,この河内には神社が7つあり,一番大きな八幡神社を中心にオコナイがなされています。



奧:八幡神社本殿と,
オコナイ準備風景
右:八幡神社拝殿と,
直径1.5mの大きな銀杏の木
八幡神社の鳥居 河内地区
(写真の左側が神社)

1日目(2月6日):準備作業(餅つきと作り物)
オコナイは,各区持ち回りで1軒の家が「当屋(=代表)」になります。今年は1区に当屋が回ってきていました。ただし,地区の中で当屋が一巡したのと,家での準備は大変なので,今年から準備は社務所で行われています。
釜の蓋には4つの穴があり,餅米を2升いれた
桶を載せ,同時に蒸すことができます。
エトー」,「マトーと声をかけながら餅をつきます。
私も飛び入り参加させてもらいました。
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ついた餅はすぐに社務所内で丸めて鏡餅に。
ホカホカの湯気が立っています

    
右は,カエデの木に餅をつけた「マユダマ」です。→


午後からは,大根やカブなどで作り物をします。作るものは決まっていて,鶴・亀・オカメ,男性(女性)のシンボル,etc。
      自由な発想で製作に励んでいました。実習に来ていた
滋賀県立大の学生達も思わず苦笑いしていました(*^_^*)。
以下は完成品です。いずれも力作ですね。
完成品1:左右の端は「とっくり」とのこと。「亀」の左右は??。 完成品2:さて何でしょう?。
オコナイの主役は男たちですが,奥さん達のバックアップがあってこそ。上は「小アユの甘露煮」と,珍しい「鮒味噌」です。

2日目(2月7日):本日(ほんび,巡行と式典,直会)
ちょうど,この場にふさわしい(?)伊勢神楽がやってきたので皆さんしばし鑑賞の時間。
桶に,昨日ついた餅を順番に並べ,紅白の布で巻いて,最後はミカンに「しきび」の枝をさして完成。
榊(さかき)の枝ではなく,「
しきび」(葬式などで使われる)の枝を用いるのは,神仏一体の思想だとか。

9:30 「触れ太鼓」 御幣を持った自治会長さんを先頭に,餅みこしを担いで回ります。

みこしが戻ってくると,そのまま拝殿に運びこみ,式典の開始です。宮司さんは1区の人が勤めます。
拝殿内に入れるのは,
今回の1区の人達と2〜4区の代表のみです。が,私も1区の仲間入りで
中に入るように言われ,皆さんと同じように,名前を呼ばれて玉串奉奠を行いました。
最後は「
敬神生活の綱領」を全員の発声で読み上げて,式典はとどこおりなく終了しました。

式典が終わると,参拝者全員が社務所にて「直会(なおらい)」で,御神酒が皆に配られます。
ここで,みこしで運んだ餅は,「
かけ米(=餅つき用に餅米を出すこと)」をした家に分けられました。
また,1区の人達による作り物の説明,来年当番の2区の人達用に用意した「福引き」などが行われ,
にぎやかムードで進行。その後,会も終了と思いきや,意地悪なことに女学生を前に呼び出し,
例の男性の●●●を触らせたりしていました。彼女らも案外嫌そうでなく,楽しそう??

1区から2区に御幣を渡し,無事引継終了。 その後も皆さん,無礼講でふざけていて,なかなか終わらず。。。
とにかく楽しいオコナイでした。皆さんのご親切に感謝します。どうもありがとうございました。m(_ _)m 

<追加>オコナイ2日め 直会終了後の様子を追加しました。
(1区の皆さん)  八幡神社と離れた場所の
神社へもお餅が供えられました。
(2区の皆さん)  早速皆さんで,新しい注連縄と
御幣造りをされていました。

<参考文献>
1 「オコナイ 湖国・祭りのカタチ」:中島・上田・原田著,中島監修,INAX出版発行,2008,6,15 
2 「滋賀の百祭」:大塚虹水著,京都新聞社発行,1990,10,27 
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