直線上に配置

粉粒体の混合装置
 
<粉粒体ハンドリングの部屋(4)>

 ここでは,粉粒体の混合装置の概要を紹介しています。

粉粒体の混合(mixing,blending)とは 
 2種類以上の粉粒体を,乾いた状態で,あるいはごく少量の液体の入った状態で,均一に分布させる操作(技術)です。
 また,このような混合を,「
固体混合」ということがあります。

粉粒体の混合の目的 : 主なものを以下に列挙します。
(a) 色の均一配合 プラスチックペレットに顔料(着色剤)を混ぜ,射出生成機や押出機にかける場合
(b) 薬効成分の微量配合 製薬時における,基剤と薬効成分との精密(微量)配合
(c) 打錠性の向上(離型性向上) 錠剤製造(打錠)前の基剤(薬剤)に対する流動化剤(軽質無水ケイ酸粉体等)および滑択剤(ステアリン酸マグネシウム粉体等)の均一混合
(d) 固相反応の条件を作るため セメント原料や窯業原料の混合
(e) 全工程を通じての配合率の均一化 飼料等の製造工程における栄養成分の一定配合
(f) 数成分の均一化 成分割合の異なるもの同士を混合し,一成分にする
(g) 成分のロット間調整 同一の製造工程で,物理的/化学的性質の異なるロット同士を均一にする

混合装置(混合機)の分類  大別すると以下のように分類できます。

 
(1) 容器回転型  混合する粉体の入った容器本体を回転し,混合させる。

(回転軸水平タイプ)
水平円筒型

V型(ブイコン)
ダブルコーン型

立方体型

 
 
(2)容器固定型粉体の入った容器本体は回転させず,機械撹拌力で混合させる。
    (a)混合羽根で撹拌することにより,混合させる。
     
 (T)混合羽根の回転軸が水平タイプ

リボン型

スクリュー型
パドル型

      (U)混合羽根の回転軸が垂直タイプ
リボン型
スクリュー型
円錐形スクリュー型

    (b)気流で撹拌することにより,混合させる。
流動層型(A),(B),(C) 粉粒体ハンドリングの部屋(5)に記述しています。

    (c)重力だけで混合させる 重力式ブレンダ−(ワンパス型,リサイクル型)
(構造)  ブレンダー本体@内に,ブレンドパイプAが6本入っており,更にそれらパイプは,それぞれ3室に区切られています (断面X〜X参照)。
また,各室には,2〜5個の流入穴が開いています。
 (したがって全流入穴数は,6×3×(2〜5)=36〜90個となります。)
また,本体下部には,内容物を
マスフローで流下させるためのバッフルコーンCが設けられています。
(この効果に関しては
粉粒体ハンドリングの部屋(2)参照)
  


(A,B,Cは,異なる粒体が3種類投入されていることを示します)

(混合作用)

混合作用は,本体内中心部をまっすぐ流下し排出されるもの(A)と,6本のブレンドパイプAを通って周囲から排出されるもの(B)とが,下部のブレンドチャンバB内で合流することにより生じます。

(容量) ブレンダーサイロ容量は,通常5〜500m3程度です。

(種類) (1)ワンパス型 : 混合物は,上部からブレンダ内に投入された後,最初に全容量の10%程度,元に戻すリサイクルを行います(最下部は混合されないため)。その後は,上部からの投入操作をそのまま継続するだけで,連続的に混合されて排出されるので,次工程へ空送されます。

(2)リサイクル型 : 混合物を投入後,リサイクルを150〜200%程度繰り返し,ブレンダ内で完全に混合してから排出する方法です。
(製造メーカ) (株)ナルコ岩井(旧(株)日本アルミ

  (3)複合型粉体の入った容器を回転し,他の外力も使用して混合が進行する。
@ スクリュー型
A 円錐形スクリュー型


完全混合状態の定義 
混合が最も理想的に進んだ状態には,以下の2つの状態(1),(2)があります。

(1) 通常では実現できない理想的な完全混合状態
(2) 実際に到達することの可能な統計的な完全混合状態
これは,各成分粒子の配列がなんの規則性も無く,確率的にランダムな状態をいい,
一般に
完全混合状態といえば,この状態をいいます。

(理想的な  
完全混合状態)
(統計的な   
完全混合状態)


混合性能の表現方法  上記の理由により,ブレンド性能の表現として,最も
     一般的なものは,
統計的手法によるものです。
       すなわち,混合体から適当な方法で一定量ずつ多数サンプリングし,その結
     果(統計量)から混合性能を表現(推定)する
ものです。

      
      ただし,混合性能として具体的にどのような値を表現するかについては,
    従来から各種提案されていますが,普遍的かつ決定的なものはありません

       
       
なぜなら,この値は混合装置(混合機)への初期投入状態だけでなく,サンプ
     ル量およびサンプル数によっても変わりうるからです。
          
混合度の定義  
     (1)混合の度合いを表すもの
分類 混合度の表現 分離状態M0 完全混合Mmax
  I (σ02−σ2)/(σ02−σr2
1−σ/σ0
 U (σ02−σr2)/(σ2−σr2
 V σr/σ σr/σ0
 
     (2)未混合の度合いを表すもの
分類 混合度の表現 分離状態M0 完全混合Mmax
 W σ/σ0 σr/σ0
(σ2−σr2)/(σ02−σr2
 X σ2−σr2 σ02−σr2
 Y σ2 σ02 σr2
σ σ0 σr
          (注)1.σ0初期(混合前)標準偏差,σ02=初期(混合前)分散,
             2.
σr母標準偏差,σr2=母分散,
             3.
σ=サンプルの標準偏差,σ2=サンプルの分散

    (3)その他の表示例
       @
変動係数(cov)=σ/m ×100 (%)
            ここで,m=サンプルの平均値

       A
レンドファクター(BF)σ0σ
             BFの値から,M=1−σ/σ0=1−1/BFとも表せます。

混合装置の実例 :
   @コンテナブレンダ− (製造元:(株)ナルコ岩井(旧(株)日本アルミ))
 内部に突起やブレード等の無い金属製コンテナに,60〜70%程度の粉粒体(被混合物)を投入し,所定場所まで移動します。その後駆動機で本体を把持し,20〜30分間ゆっくり回転(5〜20rpm)します。混合後は,所定場所まで移動し排出,もしくは貯蔵後排出します。
 このコンテナブレンダは,内部洗浄が容易で必要な混合性能も得られ,また各種内容物の貯蔵も兼用できることから,粉末製剤を打錠する前の滑択剤混合等に用いられています。

   A
重力式ブレンダ−(製造元:(株)ナルコ岩井(旧(株)日本アルミ))
上記の図のように,ブレンダー内に,色の異なる3粒体A,B,Cを,層にして33.3%ずつ投入。

(a)10%リサイクルた後,全量を排出しました。(
ワンパスタイプ
  排出中,一定時間毎にサンプリングし,その中の3粒体の混合比率から混合度Mを算出。
 混合度M=1−σ/σ
0=0.8〜0.9という結果を得ています。

(b)200%リサイクルした後,全量を排出しました。(リサイクルタイプ)
 この場合は,混合度M≧0.9という結果を得ています。


                                                      
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