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(1) |
サイロ等深槽での粉体圧(静止時粉体圧) |
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粉体(a)または液体(b)において, 液体(b)では,水深が大きくなると,液体圧はそれに比例して大きくなります。
これに対し,粉体(a)では,粉体圧Pvが,液体圧(b)より小さくなることが知られています。
これは,粉体と貯槽壁面との摩擦力により,粉体の重量が壁面部で支えられることによります。
この粉体圧Pvの変化は,ヤンセンの式で表すことができます。
****** 粉体圧と液体圧の違い *****
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(注)ヤンセンの式での記号の意味
Pv:粉体圧(=鉛直方向の面圧),γ:かさ密度,D:ホッパー径,L:ホッパー高さ,μW:壁摩擦係数,
K:水平方向と鉛直方向の圧力比(=Ph/Pv)
<数値例>
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【計算式】
(a) |
胴部(H1)の垂直応力Pv1の計算 |
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ただし, |
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(b) |
コーン部(H2)の垂直応力Pv2の計算 |
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ただし, |
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(2) |
粉体排出時の動的粉体圧 |
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粉体を貯槽から排出する際の圧力は,静止時の数倍に達する場合のあることが報告されています。
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(3) |
粉体排出時の閉塞(へいそく) |
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流動性の悪い粉体(付着性のある粉体)は,ホッパーからの排出時に,アーチングやブリッジを発生し,閉塞しやすくなります。また,中央部に穴があいてしまうことがあります(ラットホール)。
そのような粉体では,ホッパー部に排出促進部品(エアブラスター,エアレータ,バイブレータ,ノッカー等)を設けるか,適切な排出装置(テーブルフィーダ等)を選択する必要があります。
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(粉体投入時) |
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(粉体の排出時) |
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<アーチング;ブリッジ> |
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<ラットホール> |
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⇒ |
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(4) |
ファンネルフロー (ファネルフロー) と マスフロー(Funnel Flow & Mass Flow)
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(ファンネルフロー) |
(マスフロー) |
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粉粒体をホッパー等から排出する際,一般に,中央部の流下速度が大きく,側壁部近辺では遅くなりますが,この現象をファンネルフロー (ファネルフロー)といいます。
これに対し,サイロ等へ投入した粉粒体を先入れ先出しする(先に投入したものから順に排出していく)ためには,マスフローが必要になります。
マスフローのためには,下図に示すように,@ホッパーのコーン角度を小さくしたり(θ1→θ2),A内部に笠状のインナーコーン(コーンバッフル)を入れたりします。
これらの状況は,以下のVTRで確認できます。 |
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マスフロー化の例@ |
マスフロー化の例A |
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⇒ |
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(コーン角度の鋭角化)(θ1<θ2) |
(インナーコーン)
(コーンバッフル) |
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<<ファンネルフローの状況 および インナーコーンによるマスフロー化の実例>> |
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(以下のVTRは,円筒状の透明ホッパーの中央縦断面を正面から見ています)(粉体:PTA粉体) |
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<再生ボタンを押してください> |
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