座禅草
ざぜん草
琵琶湖の周辺(22)
(平成16年2月7日,2月28日撮影)
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湖西に春を告げるという座禅草(ザゼンソウ)を今津町弘川地区で見てきました。
座禅草は,山の湿地や清流の伏流水がわき出るような所に自生するサトイモ科の多年草で,1月末頃から雪の中に花が咲きはじめます。10cm〜15cmの赤紫色の苞(ほう)の中に,2〜4cmの丸い黄色の花軸が有り,その周囲(外側)に小さな花が100個以上咲いています。この形が,あたかも僧侶が小さなお堂の中で座禅を組んで座っているように見えることから,座禅草という名前がついたとされています。
座禅草は,花軸の部分の「肉穂花序(にくすいかじょ)」が発熱することから「発熱植物」と呼ぶそうです。詳細は下記<参考>に記述しました。 |
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<下のそれぞれの画像は,クリックすると拡大します。> |
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(白いものは,残雪です。) |
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(周囲にたくさんついている,小さいものが花で,花粉は,数年間冬眠した後,再びこのような花をつけるようです。
また,開花後は,すぐ横に顔を出している緑色の茎が成長し,大きな葉っぱに成長するようです。) |
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(↑ 花粉が散っています。) |
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(2000〜3000株あるそうです。) |
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ここは,昭和56年に今津中学生が理科の観察時に見つけたものです。国内自生地の南限とされ,昭和61年に環境庁の「自然環境保全基礎調査」の特定植物群落に選定され,平成元年には滋賀県自然環境保全条例により「緑地環境保全地域」に指定されました(今津町観光協会のパンフレットより)。
<<参考>> 座禅草は,「発熱植物」。
座禅草の苞(ほう)の中にある肉穂花序(にくすいかじょ)とよばれる,花軸の部分が発熱するようです。
その状況としては,「気温が氷点下になっても,自らの体温を監視し,20〜25℃に保っていて(岩手大・伊藤助教授)」,その目的として,(a)匂いを拡散させる事によって,花粉を運ぶ虫を誘引するという説,Aめしべをつける5〜10日間の「雌」の時期から,おしべをつける「雄」の時期への速い成長を促す「性転換促進説」(北大・植村助教授)などが考えられるそうです。
このように,サトイモ科の植物には「発熱作用」を有するものがあるようです。
また,「ハス」も「発熱植物」であり,熱で虫を誘引しているようです。ハスは,白亜紀(6,500万年〜1億4,400万年前)の時代には地球上で広範囲に分布していましたが,時代が進むにつれて,蜜(ミツ)で虫をおびき寄せる植物が増え,それらに席巻されてしまったのだそうです(蜜の方が効率的に虫をおびき寄せる事が可能のため)。(平成16年5月15日付け読売新聞(夕刊)より,内容を要約)
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