直線上に配置

梅花藻
ハリヨ
(琵琶湖の周辺(26))
(平成16年7月27日,19年6月17日撮影



 
 米原市醒ヶ井(さめがい)地区を流れる地蔵川に咲く梅花藻(ばいかも)醒ヶ井養鱒場を見てきました。 

 地蔵川は,ヤマトタケルが伊吹山で負った傷を癒したとのいわれのある「居醒(いざめ)の清水」を水源とする湧水で,年中水温14℃前後の清流です。この水域は,河内の風穴などもある鈴鹿山系・霊仙山(1084m)の伏流水と考えられ,古くから人々を潤してきました。

 この清流に自生する梅花藻,キンポウゲ科多年草の水草で,梅の花に似た小さな白い花をつけます。
 この清流には,この地域と岐阜県南部にしか生息しない絶滅危惧種の魚「
ハリヨ」がいます。

  醒ヶ井養鱒場では,渓流の水を利用して天然の鱒を養殖しています。そこでも梅花藻やハリヨが見られます。

・・・・厳しい暑さとは対照的に,この地域だけは涼しさが感じられました。

地蔵川の梅花藻と百日紅(さるすべり)の花
<平成19年6月17日撮影(a)〜(c)>, (a) (b) (c)
<平成16年7月27日撮影(d)〜(e)>, (d) (e)


地蔵川の両岸にはきれいな町並みが続き,百日紅の木も多数植えられています
霊仙山からの湧水地は7カ所あります。
この「十王水」もその一つです。


     <音声あり>音量UPすると清流の音が感じられます。  
 
水は澄み,小魚(ハリヨ)も泳いでいました。流れに手を入れてみると,ひんやりします。  
 
↓(ライトアップ中です)    
 
  この時期(7月1日〜8月1日),夜間はライトアップされています。梅花藻の白い花が水中で揺れながら,幻想的な様子をかもし出しています。   
 

ハリヨについて


この地蔵川には,体長4〜5cm,体にトゲを持ち,滋賀県東部,岐阜県南部,三重県の一部など,清流にしか生息しない魚「ハリヨ」がいて,梅花藻を産卵場所にしています。(ハリヨは,国の絶滅危惧種に指定されている貴重な魚です。)
産卵期に特有の婚姻色のオス ハリヨの産卵行動がみられます

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<平成19年6月19日追加>



日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の話
   居醒(いざめ)の清水などからの豊富な湧水は,昔から人々を癒してきました。

 古事記・日本書紀によれば,日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が伊吹山の大蛇(?)を退治した際に“毒気”にあたり,この湧水で癒されたとされています。

 居醒の清水横に立つ日本武尊 

ヤマトタケルノミコトは第12代景行天皇の皇子で,古事記では「倭建命」,日本書紀では「日本武尊」と記されています。

叔母のヤマトヒメノミコトからもらった草薙の剣
(くさなぎのつるぎ)をもって東奔西走,各地の豪族を従えましたが,伊吹山の大蛇(=神)を征伐しに出かけた際に,たまたまこの草薙の剣を持たずに出征したため,大きな痛手を被ってしまいました。この時,山を下りた所で癒されたのが居醒の清水とされています。

しかし,日本武尊はこの傷が命取りとなりヤマト(奈良)に帰る途中,能褒野
(のぼの)という所で次の歌を残して故郷を偲びながら帰らぬ人となってしまったようです。

−−
(やまと)は国のまほろば 

   たたなずく  青垣
    山隠れる(やまごもれる) 
    倭
(やまと)しうるわし−−

 
日本武尊の像は,伊吹山の山頂にも有ります。   

醒ヶ井養鱒場清流と一定の水温を利用して,ニジマス等を養殖しています。

明治11年に県営のビワマスふ化場として発足し,いくつかの変遷の後,昭和4年に現在の養鱒場となっています。総面積19ha中,3haに約80面(1.3ha)の飼育池があります。
主な飼育魚の飼育量は,
ニジマス160万尾,アマゴ40万尾,イワナ20万尾(稚魚,成魚含む。平成元年実績)とのことです。 北海道などでしか見られない1mもの大きさの「イトウ」もゆうゆうと泳いでいました。
  ↓ここにハリヨがいます。
この清流でも飼育されています。 30〜40cmの大型ニジマス 清流は透き通っています。  
梅花藻はハリヨの隠れ家です。

醒井地区の主な観光資源

(1) 醒井宿資料館
(a)旧醒井宿問屋場 往来を通行する大名・役人に人足や馬を提供したり,荷物の積み替えなどを世話した所 (17世紀の建物が現存)。
   (といやば)
(b)旧醒井郵便局 ウイリアム・メリル・ヴォーリズの設計により,大正時代に建てられたもの。
(2) 松尾寺(航空災害除けのお寺),了徳寺(お葉付きイチョウ)他

旧醒井郵便局 松尾寺 了徳寺の「お葉付きイチョウ」

<参考文献>
1 「醒井養鱒場のあらまし」パンフレット 

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