<音声あり>
ごま えごま しそ なたね そば
食品関係の粉粒体(5)
<粉粒体の部屋(4-5)>
 ここでは粉粒体技術の応用例として,食品関係の粒体を紹介しています。

 食品用「粒体」としては,米,小麦,大麦,そば,大豆,小豆,ごま,果物の実(種)など多数有ります。
      

(1)古代米について : 
 変わった(珍しい)粉粒体の例として,粉粒体の部屋(6)黒米,赤米,緑米などを紹介しています。

(2)ごま(胡麻)えごま(荏胡麻)しそ(紫蘇)なたね(菜種)について 

(a)
「ごま」は,南アフリカや中国が原産地の,ゴマ科ゴマ属の1年生草の実(種)です。
 
日本では,ほとんどが輸入にたよっているようです。

 植物としての「ごま」は,高さ1m程度で,下方から上方に向かって順に,ピンクのラッパ状の花が咲きます
(写真参照)。
「ごま」は種にあたり,長さ2cm程度の4つの部屋にびっしりと15〜20粒ずつ詰まっています。
5月〜6月頃に種を播き,秋に収穫しますが,最下段の種がはじけるようになったときが刈り入れ時だそうです。
刈り入れ後乾燥し,ごまを収穫します。

             岐阜県下呂市にて,平成14年8月撮影)黒ごまでした>
ごまの栽培状況 ごまの花 ごまの実 ごまの付き方
               
(b)えごまは,岐阜県飛騨地方では“あぶらえ”,東北地方では“じゅうねん”などと言われており,今でも栽培されています。

  
えごま」は,粒の大きさが2mm程度で,「ごま」よりやや大きく,形は球状です(以下の写真参照)。
したがって,「ごま」とは外観が明らかに異なりますが,味は似ています。 
なお,植物の外観はしそ(紫蘇)によく似ています。
(ちなみに,「えごま」も「しそ」も,シソ科シソ属の1年草です)が,高さは「
ごま」と同じかやや小さめ(1m位)です。
 

 「
えごま」から絞られた油や「しそ」油には,抗アレルギー作用の有るα−リノレン酸が含まれていることから,最近,健康食品として見直されています(飛騨地方では,「えごま」をすりつぶし,例えば,五平餅などにつけて食べます)。

 両者(ごま」と「えごま)の関係では,えごまの方がより早くから日本に伝わっていて,大いに利用されていたのですが (「しそ」も「えごま」も縄文時代から栽培されていたことが,発掘調査などから知られています),後に「ごま」(=もとはうごまと言ったそうです)が伝わり,収穫量も多く油の質も良いということで,「えごま」はあまり作られなくなったようです。


えごまの栽培状況
(しそによく似ています)
しその栽培状況
同左
(実が入っています)
(撮影:平成14年8月) (撮影:平成14年10月) 同左

(c)なたね(菜種)は,通常4月頃に黄色の「菜の花」が咲き,その後に出来た種(実)です。
 
以下の写真は,刈り入れされる直前(6月)の菜の花畑の様子です。
撮影地は
富山県高岡市戸出(といで)地区
 
戸出地区は,かって菜種の産地で,地名も「灯油田」が由来とのこと。5年前から転作大豆や麦に代わる特産品として栽培(約25ha)されています。この菜種はコンバインで刈り取られ,乾燥された後,搾油機で菜種油として,製品化されます。
<平成15年6月28日付富山新聞より引用>

撮影:平成15年6月29日         
撮影地:富山県高岡市戸出
(といで)地区。
‘さや’の長さは50〜60mm,
約20粒×2列入っています。
  
 
<参考>
 
最近注目をあびているのが,菜の花や菜種をもとにした環境運動への取り組みです。
 
例えば滋賀県では,
「菜の花エコプロジェクト」としての活動が盛んです。そして今では,日本各地の自治体へと広がりを見せています。
 
 <菜の花エコプロジェクトの仕組み>
  
@転作田に菜の花を植え,菜種を収穫し,搾油してなたね油にする。
    ⇒なたね油は料理や学校給食に使い,搾油時に出た油かすは肥料や飼料として使う。
  A廃食用油を回収し,石けんや軽油の代替燃料にリサイクルする。
    ⇒エコカー(バスなど)を動かす燃料にする。
  Bその他,養蜂との連携,観光への利用(菜の花)など。

   
 
なお,エコプロジェクトとは関係ありませんが,菜の花畑の様子を,琵琶湖の周辺(1)
で紹介しています。

(d)
ごま」,「えごま」,「しそ(の実)」,「菜種の形状かさ密度(単位体積あたりの質量)の比較
ごま
φ1.5×3.5L
0.57g/cm3
えごま
φ1.7〜φ2.0(球状)
0.50g/cm3
しそ(の実)
φ1.0〜φ1.4(球状)
−g/cm3
菜種
φ1.6〜φ2.0(球状)
0.64g/cm3


(3)そばの花そばの実について 
 
「そば」はタデ科の1年草で,草高30〜70cmとなります。原産地は中国雲南地方とされ,涼しい気候を好み,標高の高い地域や荒れ地でもよく育ち,短期間(約90日)で収穫できます。そのため,アフリカを除く世界各地で栽培され,また昔から気象災害などで他の作物が不作のときの応急穀物とされてきました。

 日本では年間10万トン以上が消費され,北海道,鹿児島県,長野県,福島県,茨城県,栃木県等で栽培されていますが,約80%は中国等外国からの輸入に頼っています。 しかし,そばは,日本でも中国でも
五穀に入っていません。

 ちなみに
五穀とは 以下のものを言います。
   @
日本では米,麦,大豆,栗,黍(きび)または稗(ひえ)
   A
中国では栗,黍,稗,稷(しょく,こうりゃん),じゅつ(もちあわ)

 <参考1>雑穀の外観と栽培日記を,粉粒体の部屋(4)−6に記述しています。
 <参考2>古事記に記された五穀の内容を,多賀大社,万灯祭,古事記に記述しています。


 そばの実は米や麦と比較して胚芽の量が多く,タンパク質およびその他成分を多く含んでいます。注目されるのは,コリン」と「ルチン」で,前者は酒の害を減らすとされており,また後者は,穀物ではそばだけに含まれており,血管に弾力を持たせ,血圧を下げるとされています。

 そばには,白い花と赤い花があります。これらは滋賀県でも今津町や永源寺町,米原町,栗東市などで栽培されており,9月から10月にかけて,秋の風物詩として眺めることができます。その様子は,
琵琶湖の周辺(15)で紹介しています。

 
そばの実は,白い花の場合と赤い花の場合で,大きさが異なり,白い花の方が少し大きいようです(下の写真)。
 これらは粉砕機(ロール,石臼など)で粉砕され,粒度分布が調整された粉体に加工され,麺としてのそば粉等に加工されます。つまり,そばの粉は,まさに粉粒体ハンドリングの工程を経て得られています。

 (白い花の実)  (赤い花の実)
@かさ密度:0.43g/cm3
A1粒の平均的な重さ:0.027g
@かさ密度:0.64g/cm3
A
1粒の平均的な重さ:0.025g

(4)丸い部分のある食品
     
ナツメの花
(5mmほどの大きさで星形です)
  ナツメの実
(このナツメは通常より大きいです) 
  大きいナツメ:直径φ3.5cm,長さ4cm
小さい
ナツメ:直径φ2cm,長さ2.5cm
(小さいのが普通では?) 

( ナツメは中国で5果(栗,桃,李(すもも),杏(あんず),棗(なつめ)に入るとされ,漢方薬としても知られます。
ミネラルを含み,血液をきれいにし,コレステロールを下げ,血圧を調整し,動脈硬化・貧血を改善し,
肺機能を強くし・・だそうです。料理のレシピも多く発表されていて,そのまま食べるだけでなく,
お茶やジャム,酒,おかゆやスープ,薬膳料理にと,いろいろ使い道があります。)


 蜜入りリンゴについては,こちらです。      
   
アスパラガスの実
(撮影:平成14年10月)
サクランボの実
(撮影:平成17年5月)
(形が丸〜い)
ネギの花
(撮影:平成17年5月)
丸いネギボウズが出来ます)

お茶の花と実(撮影:平成15年10月,平成16年5月)
お茶は照葉樹の仲間です。
花が咲いた後,ややいびつな丸い実ができます。


みかんの花(つぼみ)
(撮影:平成17年5月)
照葉樹の仲間です。)
みかんの花
(撮影:平成17年5月)
(形が丸〜い) ご存じ丸い実(みかん)が
出来ます。



ビワの花
(友人のGさんに頂きました)
ビワの実
(平成20年6月24日撮影)

    <参考>

メロンの花
(撮影:平成19年6月)
メロン(草津産)
(撮影:平成19年6月)
最古のメロン
(読売新聞2007,6,1より引用)
滋賀県守山市の下之郷遺跡で,約2,100年前のメロンの1種の果肉が出土し同市教委が31日発表した。
 
記事の詳細は,こちらです。


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