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『居醒(いざめ)の清水』などからの豊富な湧水は,昔から人々を癒してきました。
古事記・日本書紀によれば,日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が伊吹山のイノシシ(?)を退治した際に“毒気”にあたり,この湧水で癒されたとされています。
居醒の清水横に立つ日本武尊
ヤマトタケルノミコトは第12代景行天皇の皇子で,古事記では「倭建命」,日本書紀では「日本武尊」と記されています。
叔母のヤマトヒメノミコトからもらった草薙の剣(くさなぎのつるぎ)をもって東奔西走,各地の豪族を従えましたが,伊吹山のイノシシ(=悪い神)を征伐しに出かけた際に,たまたまこの草薙の剣を持たずに出征したため,大きな痛手を被ってしまいました。この時,山を下りた所で癒されたのが居醒の清水とされています。
しかし,日本武尊はこの傷が命取りとなりヤマト(奈良)に帰る途中,能褒野(のぼの)という所で次の歌を残して故郷を偲びながら帰らぬ人となってしまったようです。
−−倭(やまと)は国のまほろば
たたなずく 青垣
山隠れる(やまごもれる) 倭(やまと)しうるわし−−
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