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沙羅の花は,平家物語冒頭に
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」
として登場する花です。
通常は,沙羅双樹の花として,龍潭寺にあるような夏椿の花を当てていますが,本当の沙羅の花は,インドからネパール近辺において見られるフタバガキ科の「サラノキ」の花のことをいいます。
そして,その花を見られるのは,日本ではここ水生植物園だけです。
しかも2本のサラノキ(文字通り沙羅双樹です)のうちの1本だけが,隔年毎に花を咲かせています。
この花は,平成15年に初めて開花しました。高さ5〜6mの木に,2〜3cmの小さな星形の黄色い花をつけ,3月初旬から下旬にかけて鑑賞できます。
またこの花は「仏陀涅槃の香り」(※)ともされているように,芳しい香りが特徴です。これは,ジャスミンの香りに近いと思いますが,香料メーカーのT社は世界で初めて,108成分の分析(同定)に成功しています。それによると,他にバラやオレンジ,ブドウなどに含まれる成分も含有するようです。
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(※)
沙羅の花は,満開となり,横たわった仏陀の上に降りかかり,仏陀はその芳しい香りに包まれ,涅槃を迎えられたとのいい伝えがあります。 |
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沙羅の木 |
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沙羅の花 |
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